◇琥珀・翡翠(こはく ひすい)◇
遠野家に仕えるメイド姉妹。
司希にとっては彼女たちも養母みたいなものだが、司希は彼女達を母親とは呼ばず(秋葉の絶対命令で)、さん付けで呼んでいる。しかし、琥珀はなんとか『お母さん』と呼ばせようと機を窺っている。(なにげに翡翠も)
琥珀のマイブームは司希を慌てさせる事と、ゲームで負かすこと。
前者の方は、最近司希の反応が淡白になってきており、かなりへこんでいる。
後者は戦略性を伴うゲームなら勝てるが、格闘やレースになるとベコベコにやられる。昔は新作を買って、司希が琥珀の実力に追いつくまでかなりの時間を要したが、時と共に徐々にその間隔が短くなってきており、最近では勝ったその日に負かされる事も珍しくなくなった。
もちろん琥珀がそれで終わるはずもなく、負けたその日から一週間、寝る間も惜しんで猛烈にやりこみ、再戦を申し入れるが、やっぱり勝てるのは最初だけで、最後の方には黒星の方が多くなっている。
翡翠のマイブームは司希と一緒に食材の買出しに行く事。
司希が小さい頃に一緒に買出しに出かけた際、ちょっとした事件があったが、それ以来、司希と買い物に行くことを楽しみにしている。その為に人ごみを克服する努力をし、少しだけ改善した。(愛のなせる業か)
料理の方は、初めて司希に料理を食べさせた際、司希が泡を吹いて倒れたため、それから料理をしていない。……が、今度こそはとこっそり練習中。
しかし、そのたびに司希は蟹になるハメに。
司希を育てるとなった時は、それはもう戸惑いまくったが、琥珀は料理の最中も、翡翠は掃除の最中も、二人とも育児書片手に猛勉強していた。
そのせいで、一時期遠野家が混沌と化し、本物の幽霊屋敷になりかけたことも。
◇遠野 秋葉(とおの あきは)◇
遠野家の現当主で、司希の養母。
志貴とアルクェイドが死去し、司希が残ったときはどうしようかと迷ったもんだが、志貴の遺言と、アルクェイドのお願い、そして秋葉自身の性格もあり、やっぱり見捨てる事が出来なかった。
当然子供なんて育てたことが無く、最初は戸惑った秋葉だったが、翡翠や琥珀の助力もあり、今では立派な教育ママに変身している。
遠野の後を継がせようと、司希には子供の頃からたくさんの習い事をさせ、しかも誰かさんとは違い、抜群に期待に応えてくれる司希にものすごく感動した。
志貴が死んだことにより、力を分け与える必要が無くなり、秋葉自身は安定している。また、それにともない琥珀からの吸血も必要なくなったため、遠野よりにも傾かなくなった。
容姿は以前とまったくと言っていいほど変わっていない。
◇遠坂 凛(とおさか りん)◇
三咲町のアカイ魔女(愚息が命名)。遠坂 憲司の母親。
※性格・人柄※
性格はまったく変わっておらず、それどころか母としての強さも身につけ、ある意味では以前より強くなっている。
容姿はツインテールじゃないHF版の遠坂 凛そのままで、息子と一緒に歩いているときは、周囲から恋人と間違われるほどの若作りだが、本人曰く「最近、肩が」とのこと。
※子育て※
息子が不良化している件については「まぁ、良いんじゃない?」と信用しているのか諦めているのか、どちらとも取れる微妙な発言をしている。
育て方に関しては、基本は放任主義。ただし「常に優雅たれ」という家訓だけは守らせている。
その息子と毎日のように行っている親喧嘩では、無敗を誇っており、日に日に増えていく屋敷のトラップを発動させては、愚息を無力化している。
当時、小学一年生だった憲司がどこからか拾ってきた宝くじが一億円を引き当て、その時、凛は「遠坂家にとり憑く呪いの一つを乗り越えた」と狂喜乱舞したそうな。(外伝・Snow Flower)
しかし、その一億円には一切手をつけておらず、遠坂家の財産と、アンティークに関する目利きを活かして、質屋を営んで生計を立てている。が、質屋を経営している本当の目的は、流れてきた宝石を安く買い叩くことである。
ちなみに店の方では出張鑑定(買い取りアリ)などもやっている。
※魔術※
遠坂家の得意分野である力の流動と転移を活かした宝石魔術に改良を加え、昔は宝石に血を注入していたが、今は魔力を直接注入できるようになった。
ただし、注入できる宝石は限られており、決まって通常の宝石よりお値段がお高かったりする。
また、新たな魔術として、宝石を使用したルーン魔術、宝石文字(ジュエリール-ン)を行使できるようになった。
この魔術は一回限りの使い捨てだった宝石を複数回に分けて使うことの出来る、遠坂家悲願の魔術。
※その他※
なぜ彼女が三咲町に居るかというと、昔、ある事件で、管理者としてか士郎の女性としてか、どちらかの選択を迫られ、凛は後者を選んだ。そのため、凛はお腹の憲司を抱えたまま、冬木市から追放されることになった。
士郎からプレゼントされた、十字架を模したロザリオのネックレスを大事にしている。
「う~ん。……正義の味方、かな」
◇遠野 司希(とおの しき)◇
もう一人の主人公。
志貴とアルクェイドとの間に生まれた子供。16歳。
両親が死亡しているため、遠野の屋敷で義母や双子のメイドと四人暮らしをしている。
※性格・人柄※
容姿はどちらかといえば母親よりで、髪も金髪。外人とまったく区別がつかないが、彼自身は和食好き。
義母の教育が行き届いているため、礼儀正しく、真面目で成績優秀と非の打ち所がないパーフェクトボーイ。が、それに比例するように無口で、女尊主義。←これは環境のせいです。
日本人離れした容姿もあり、かなりモテるようだが、本人は剣道一筋で興味はない様子。
高校入学を機に幼い頃をから続けてきた数々の習い事を一度全て辞めてしまったが、それでも剣道だけは部活に入って続けている。
遠野家では秋葉を母と慕い。翡翠には同族に近いものを感じているようで、琥珀には……困っている。しかし、最近はいなし方を覚え、逆に「司希さんが相手にしてくれません」と琥珀さんをへこませている。
情よりも理を優先する性格で、頭の中で常に結論を用意しておき、それからその結論にそって行動するか否かを決めるため、周囲に冷徹な印象を与えている。
今まではそれでも気にしていなかったが、遠坂憲司やアルトルージュと色んな事件を解決し、様々な人と出会っていく中で、徐々に己の考えに疑問を持ち始める。
普段は聞きワケがいいが、一度頑なになってしまうと、秋葉ですら呆れる頑固っぷりを発揮する。
※恋愛※
上は老婆、下は幼稚園児まで数多の女性に告白されているせいか、はたまた家庭の環境か、女性の扱いは丁寧で、それがさらに女性のハートをガッチリ掴んでいる。
普通の男なら赤面するようなキザッたらしいセリフもあっさりといえるタイプで、なおかつ、違和感がないという反則ぶり。実は隠れた天然。
複数の女性と一緒にいるところを琥珀さんに何度か目撃されており、報告を受けた秋葉を含め、遠野家の面々を大いに困惑させた。もちろん司希に悪気はなく、前もって付き合えないと断っているのだが、どうも女性に関しては完全に拒絶できないお人好し。
※魔術※
魔術は習得していない。というか、魔術ウンヌンに関しては秋葉が隠しているもよう。
※その他※
世界で二度目となる真祖と人間の混血。昼は普通の人間だが、夜が近づくにつれ吸血鬼の血が活発化し、身体能力が格段に上がる。(月齢によって上昇率が異なる)
また、吸血も必要としていないが、血を好む衝動はある。
名前はアルクェイドが死ぬ間際、秋葉にまだ赤子だった司希を託し、名前を『しき』にしてくれと頼んだ。
それを受けた秋葉は、みんなの希望を司れるように、という意味を篭めて『司希』にした。
「お前の正義が救うのは、お前自身だけだ」
◇遠坂 憲司(とおさか けんじ)◇
士郎と凛の間に生まれた子供。16歳。
士郎が死亡している為、凛と一緒に三咲町で二人暮らしをしている。
魔術師見習い兼正義の味方もどき
※性格・人柄※
口は悪い、いい加減、面倒くさがりやと三拍子揃った、ものすごい不良っていうか、ダメ人間。
「人生何が起こるか分からない。浮き沈みがあって当然さ~。HAHAHA!」と、達観しているようにみせてはいるが(少なくとも本人はそのつもり)、ギリギリになると結局助けに入ってしまう困ったちゃん。
認めた相手にしか敬意を払わない態度が目上の者に。誰かさん似の仏頂面が他人の鼻につくようで、まず第一印象は最悪。喧嘩を売られる事も多い。彼が周囲から不良と誤解されるのは、あくまで売られた喧嘩を消化していった結果であり、彼から喧嘩を仕掛ける事は絶対にない。
しかし、本人はそれを否定するでもなく、人が寄り付かない=面倒事が無い。と、逆にラッキーとさえ思っている。
第一章こそ他人との関わりを頑なに拒絶していたが、章を重ねるごと誰かさん譲りの正義感を発揮。口では「めんどくせぇ」と言いつつ、身体はすでに動いていたりする。
乾 壱彦とよく行動を共にするが、基本的には一匹狼。
もちろん彼が人との関わり合いを避けるようになったのにはワケがある。
人助けしかり、剣道しかり、自分が何か行動するたびに、寂しさと懐古感の混ざった悲しげな顔を垣間見せる凛。それを幼い頃から見てきた憲司は、母が自分に士郎の面影を重ねているのだと気付き、母にこんな悲しい表情はさせたくない。と自分から積極的に行動するのを避けるようになった。
普通の環境で育ったにもかかわらず、衛宮 士郎にも劣らない正義感を持つ彼は、ある意味父親より遥かに異常だと言える。
外見に惑わされず、その人の本質を見抜くことの出来る人物で、多少怪しそうな人でも良いヤツだと判断すれば信頼するが、そうでない相手には通常の四割り増しの愛想の悪さを見せる。
その為、周囲からはとても反社会的な人物と勘違いされてしまう。
凛から教わった"常に優雅たれ"という家訓を激しく間違った方向で守り、カツアゲやイジメなど「ダサいことはしねぇ」らしい。しかしタバコと酒はバッチリ。
頭は……そんなに良くない。侍といわれると怒る。
機械関係の修理も出来るが、あくまで素人知識によるもので、技術も父親以下、ちょっと機械が弄れる一般人程度。それでも機械関係を極端なまでに不得手としている母親を助けるためである。
※恋愛※
乾 壱彦ほどじゃないが女性にだらしなく、壱彦主催の合コンではレギュラーとして毎回、猛威を振るっている。しかし、彼の場合は女性が好きなのではなく、合コン・コスプレ・巨乳etc――どちらかといえば男の浪漫が好きなようである。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる。とは誰の格言か。今のところこの格言が適用された様子はない。
※魔術※
魔術の知識は多少あるが、腕前は母親の凛に、
「魔術師の家系は私で終わりか~」
と溜息ながらに言わせるほどである。
本当に凛の子供か疑わしいほど才能は無く、意識の切り替えや、詠唱時の自己暗示が極限的に苦手で、失敗に終わる。ようは集中力の無いニブチンで、本人の性格によるところが大きいと思われる。
※その他※
ちょっとした経緯があってラ・フルール三咲町支店でバイトしているが、持ち前の仏頂面と愛嬌の悪さから、メイクしかやらせてもらえなかった。が、おかげでメイクに関しては店長も認めるほどにまで成長した。
ちなみに、店長はピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌという名の日本人。本名は西郷慎之介。42歳のナイスミドルなオカマです。
凛を呼ぶときは「お袋」「母ちゃん」のどっちかだが、「母ちゃんはやめて」と言われる。どうやら恥ずかしいようだ。
親子喧嘩が絶えず(と言ってもスキンシップに近い)、その時は「ババァ」「クソババァ」「クソ魔女」「アカイの」などに変化する。
なんだかんだ言いつつ、女手一つでここまで育ててくれた凛を尊敬しているが、こちらに移住する原因を作った士郎を恨んでいる。
正確に言うなら、ある事件がキッカケで、お腹の中の憲司を抱えたまま、凛は冬木市から追放される事となった。憲司はその選択をした凛を尊敬しているが、母親の約束された未来を棒にふらせた事。なぜ、凛が惚れたほどのヤツが、彼女を置いて死んでやがるんだ。と言うワケ。
彼が不良化しているのもその辺りが原因。
無類の麺好き。動物に嫌われるタイプ。
「オレは自分から不幸になる人間を許さない」