あとがき……のようなもの

　少女は何が欲しいでもなかった。
　両親と、そのまた上の両親と同じように、ただ穏やかな日常を望んだだけ。
　何の変哲もない平凡が少し退屈だったけど、その平凡こそが幸福だと気付かなかったけど、それでも。
　心のどこかで、この穏やかな日常が続けば良いと願っていた。
　償ってそれを取り戻したいわけじゃない。罰が怖いわけでもない。
　ただ、謝りたかった。
　自分の罪を知り、その罪を被害者の人たちに謝りたかったのだ。
　許してほしいわけじゃない。
　どんな罰も受けよう。
　ただ、謝りたいだけだった。